· 

腐敗とは何か

『風の谷のナウシカで』では、

皆マスクをしています。

 

 

腐海と呼ばれる菌類の森から

放たれる瘴気が、

空気を汚しているからです。

 

 

もしその空気を直に吸うと、

たちまち肺が腐ってしまうといいます。

 

 

大気汚染を空気の腐敗と

とらえているところが

おもしろいと思います。

 

 

人間の過ちが

その状況を招いたことを

如実に示しているからです。

 

 

腐敗には、

その原因によって、

二つの意味があるように思います。

 

 

『生命の循環過程としての腐敗』と、

『人為的な過ちによる腐敗』の二つです。

 

 

生命の循環過程としての腐敗は

極めて正常なものであって、

その音の響きとは裏腹に、

望ましい事態ですらあります。

 

 

生命はやがて朽ちていきます。

 

 

そうして自然に還っていくのです。

 

 

人間に限らず、

植物も動物も、

きちんと自然に還らないとしたら、

まさにそれは自然の喪失を意味します。

 

 

もっというなら、

それは生命の喪失につながりうるのです。

では、

どんどん腐ればいいのかというと、

それもまた問題です。

 

 

もし過剰に腐敗したり、

一気に大量に腐敗すると、

循環処理が間に合いません。

 

 

したがって、

腐敗は正常な循環過程に

とどめる必要があります。

 

 

腐らないのもいけないけれど、

腐りすぎるのもいけないのです。

 

 

他方、

人為的な過ちによる腐敗は、

正当化されることはないように思います。

 

 

たとえそれが、

人間が恩恵を被るためであっても、

自然を『腐敗』させる行為を

許してはいけないのです。

 

 

なぜなら、

この地球上、

いやこの宇宙には

人間だけが棲んでいるわけでは

ないからです。

 

 

仮に人間だけに限るとしても、

将来の人間まで巻き込んではいけません。

 

 

環境汚染は

将来世代にも

迷惑をかける行為です。

 

 

また、賄賂や横領など

立場を悪用した腐敗もあります。

 

 

こうした犯罪による

腐敗防止が求められるのは当然です。

 

 

人為的な腐敗については

バランスなどありません。

 

腐敗は一切認められないといって

いいでしょう。

 

 

問題は、

自然の腐敗を

人間の腐敗が助長していることです。

 

 

人間が助長した自然の腐敗は、

それがどんな過程のものであったとしても、

常にバランスを欠いているわけです。

 

 

人間が自然にかかわることができるのは、

それを保護する場合のみです。

 

 

『風の谷のナウシカ』で正しいのは、

自然と共生することを選んだ

ナウシカだけでした。

 

 

PM2.5に苦しみ、

温暖化による異常気象に苦しむ私たちは、

皆ナウシカに倣わなければならないのです。

 

 

『腐敗』とは、

生命の循環過程そのものです。


お問い合わせフォーム

返信がない場合はお手数ですがお電話でお問い合わせください。

メモ: * は入力必須項目です




未来舎〜個別型創造学習〜

〜板野本校〜

〒779-0108   徳島県板野郡板野町犬伏字鶴畑37−1

☎︎088−672−3331

 

〜NEXT 佐古〜

〒772-0025   徳島県徳島市佐古五番町12ー11

☎︎088−625−1234